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大塚明夫さんの「声優の大多数が仕事にあぶれる理由」に関する見解

声優・俳優の大塚明夫さんが「東洋経済」に「声優の大多数が仕事にあぶれる理由」と題される解説を寄せられました。

たしかに私もこのブログで多くの声優さんについて、すこし書かせていただいてますが、
出演作があまり多く見られない方も少なからずおられ、そんな方々のボイスサンプルや動画を聞いて見ると
全く何の遜色も無く、売れている声優さんと殆ど何の違いも無いと感じます。

それなのに仕事が来ない。その理由はご本人にもわからないのでは、と想像します。

「努力が必ず報われる社会ではない」という言葉は、端から見ていても全くその通りだなと感じます。

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「「声優という肩書きの人間のほうがいい芝居ができる」なんて思い込んでいるのは一部のオタクだけです」

とのフレーズがネット民の間で強調されてますが、

( 文面通りに取ると「声優はいい芝居ができない」という意味に取れてしまうものの、
大塚さんの御発言の他のところを見ると、先に挙げた「努力が必ず報われる社会ではない」など [ここでは「努力」と述べられてるに留まりますが] のフレーズからも、「声優がいい芝居ができない」とは考えておられないと取れるのです。

これは文脈から見るに、
「声優という肩書きの人間のほうがいい芝居ができる」とは《選ぶほう》が見做してない、
という意味が強いと感じます。

《選ぶほうが見做してない》ということになると、やはりその選ぶほうの考えに問題が有るという認識にもたどり着くでしょう。)


宮崎駿監督などがプロ声優を軽んじる発言を公然と行い、実際に宮崎作品でも殆ど専業のプロ声優が出られなくなったところなどを見ても、

リエーター・運営サイドが、観客 (固定客たり得るアニメファン・声優ファン) に対しても
「一部のオタク」扱いの、無視に似た軽んじた考え方を続けていると見ざるを得ませんし、

そのように考えられているこちらファンサイドから見ても、
そんな姿勢はクリエーター・運営への幻滅・軽蔑に至り、その軽蔑がクリエーター・運営への評価として定着する恐れがあります。

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実際、声の芝居に関しては専業のプロ声優さんの方が
滑舌や声量、息の残し方などの技能レベルを高く取得し、

それによって「音域」や「セリフの密度」が高まるといいますか、
「声優の演技」の長年培われて来た「型」に基づいた演技をどのプロ声優さんに目を向けても確実に披露されていて、
常に感動します。

そのクオリティーの安定性は、日本の「名産」の最後の砦とすら感じるほどの貴重なものであり、

かつ、運営サイドがその
「プロクオリティーを軽視 【プロへの《厳しい》ハードル】」して
「非専業の声優を (有名芸能人などを「声優の型」を度外視して) 入れていく 【声優としてはノンプロへの《甘い》ハードル】」ことによって、
( これまでの日本などの芸能界が次第に「変化」してしまったごとく )
簡単に「型」が失われて、衰えていく恐れもあると感じます。

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「声優の大多数が仕事にあぶれる」ことに関しては、若い声優の認識が甘いというより、
若い声優たちが予測する通りの業界にしていない運営の方に
責任が有るのではないでしょうか。

これまで不安定な状況が変化せずにいて、その理由が声優の (クオリティーなどの) ほうに無いのですから、
声優のほうも、業種としての強い主張・交渉が可能な
強力な「組合」を作って行けば、

声優の肩書きが安定し、
声優のクオリティー、日本アニメのクオリティーも守られていくと考えます。



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(22年5月10月更新)