映画『バス停留所』 Bus Stop
2015/7/25(土) 午後 9:55
映画『バス停留所』(Bus Stop 1956年米 20世紀フォックス社。ジョシュア・ローガン監督)
前半、日常的場面でのマリリン・モンロー氏の(リー・ストラスバーグ氏の演技学校就学直後の)感情の演技は、手持ち無沙汰な印象だが、
(『感情』を優先して、『形式』の比重を軽くした故か、演技の終わり際、素になる形に見える。
日本の映画などでしばしば見る、『形式』や細部に重きを置き過ぎた状態も、生命力を損ねると思うが。)
ラスト近く、一転して切なげでシリアスなドン・マレー氏(この映画でアカデミー賞助演男優賞ノミネート)との2ショットの寄りの画面で、かなり巧みな細かい『表情』に焦点が行く。
(モンローの演技から見るところ、『表情』や、顔に手をやる程度の〔モンローが、この映画で何回も行っている〕『仕草』は『形式』ではなく〔モンローは、この映画の撮影中も幾度も、ストラスバーグに電話で何か質問していたという〕、カメラも目一杯近寄ることで、『形式』が薄くても画として成立する方向に持って行った印象を持つ。)
ストーリー面でも、周囲の対応の鮮やかな変化が、人生の縮図のごとき感覚さえも獲得し、一気に名作度を高める。
原作はウィリアム・インジ氏の舞台劇。ジョージ・アクセルロッド脚本。
チャールズ・チャップリン監督・脚本・主演の映画『サーカス』のラストは、随行を期待されつつも団員に失恋した主人公が、移動し去るサーカス団のワゴンの群からこっそり降り、サーカス団の方が去って行き、舞台の円環〔circus〕の跡と主人公だけが残るが、
『バス停留所』のラストは、相棒だった高齢の男性(扮アーサー・オコンネル氏)がバスに乗ることをやめ、主人公の男女が寄り添ってバスを乗り継ぎ去って行く。
ウィキペディア『バス停留所』https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%B9%E5%81%9C%E7%95%99%E6%89%80_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
(別枠『コレクション』からの移転・加筆。28日改行)
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